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​3年目を迎えることができました

「これが正解」のない訪問の現場で、ICTを駆使し連携しながらそれぞれのルートを終えてお昼に集まったスタッフたち。彼女たちの表情を安堵した笑顔が美しく縁取り、それぞれのドラマを担ってきた背中には誠実という光が輝いています。当ステーションのスタッフたちには、相手を否定するという言葉はありません。お互いを尊重し、発言に耳を傾け、自分の考えたこと、判断に足りなかったことなどを正直に吐露し、素直に仲間を信頼しひたむきに協力し合う姿は、現在のペイフォワードを支える宝となっています。

 ところでこの2年という時間は、地域の方々、ご利用者の皆様に支えられ、運とご縁に守られた時間でもありました。そんな中、病院とは違う在宅で、その方らしい生活をただ健康維持にフォーカスを当てたのでは、その生活は守れない場面を何度も拝見してきました。そして、ここに在宅へ訪問する意義を実感しました。しかしこの実感だけでは押しつけの看護になってしまい、寄り添いを必要とする在宅看護には遠く及びません。他職種サービスの方々との連携、情報交換、各セクショナリズムを尊重しながらも、時としてお互いの訪問で補完し合う柔軟な姿勢こそ、在宅訪問で求められる姿だと感じております。

 出会いと別れから得た学びを糧として、これからもますます訪問の現場で頑張って参りたいと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

​寄り添うとは、
提案することではなく、
相手の思いを受け止めること

余命を宣告された方

​おひとり暮らしでお風呂に入れずおトイレにも行けない方

脱水症を繰り返してしまう方

毎日点滴が必要な方

不安で薬を飲みすぎてしまう方

人と会うのが怖くて外に出られない方

少しずつ歩行がおぼつかなくなってきている方

貧血や低栄養で入院を繰り返している方…

​ひどい床ずれの手当に困っていらっしゃる方…

​ご自分の病気よりもご家族様を気遣われている方…

全てがハッピーエンドではありませんでした。

でも、ご利用者様やご家族様に寄り添うとは、

それは、理論尽くしで合理的なご提案ではなく、

無謀でも、「こうしたい」というその想いを受け止め叶えるためにできることを全力で行うこと。

​これがここまで来させて頂いた私達の学びです…。

あるご利用者様が教えてくれた
「ペイフォワード」に
込められた想い

その方のお部屋は、昼下がりの陽光に黄金色に輝き、お布団とカーテンしかないお部屋にもかかわらず、とても暖かく、静かで、まるで花畑のようでした…。

「ああ、この方は死に支度を始めているのだ」と私は直感しました。

教師という仕事を天職とされ、人生のすべてを捧げてこられたその方のしぐさと、やせた顔の真ん中で輝く瞳に、社会との関係性が絶たれつつある悲しみが宿っていました。癌の身体的苦痛ではなく、心の痛みこそがその方をむしばんでいたのです。

​そこで私たちは、この方と共に生きることを決めました。当然ながら私たちは看護師として精一杯健康管理を行わせていただき、その一方で、この方には私たちの人生観、社会人としての心得などを学ばせていただいたのです。作成途中のパンフレットもお見せして、一緒に考えていただきました。

ある時、その方はこうおっしゃいました。

「わたくし、ペイフォワードという言葉を知らなかったので、辞書で引いてみたんです。そうしたら、恩送りとありました。大島さんがおっしゃっていた通りでしたね。そして2番目の意味があることを知りました。それはね、「実を結ぶ」という意味なんです。なんて素敵だろうと思いましたよ。ステーションの未来がそんな風になるといいですね」

この2つ目の意味を私たちは忘れません。「ペイフォワード」と繰り返すたびに、この方は私達と共にあります…

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​ペイフォワードを支える
スタッフたち

訪問の合間、それぞれのお誕生日会を持ちながらホッと一息…。

普段の仕事で見せる真剣でクールな表情の隙間で見せてくれるこの笑顔、明日もご利用者様のところで花を咲かせてくれることでしょう( ^ω^)・・・

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