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​4年目を迎えることができました

 あけましておめでとうございます

​ 昨年は新年早々に地震や空港の飛行機事故などに見舞われ、誰もが新たな1年に不安を覚えたのではないでしょうか。そして今年も明けてみると、Wインフルエンザとコロナのトリプル流行に強毒性鳥インフルエンザの出現、つい先日の熊本地震。まさに、1月は1年の鬼門となってしまったかのようです。

 次元の違いこそありますが、まだ半月足らずの1月に、当ステーションでも信じられないことが色々と起こり、2025年早々に多重の問題に遭遇。まるで千のハンマーでたたかれているような気持になりました。

 しかしながら、夕焼け空に憂鬱になったりしながらも、朝、白々と明け行く空に響く鳥たちの透き通る歌声を耳にするとき、「再起」という言葉が脳裏に響くから不思議です。

 これは、私が特別なのではなく、人という生き物はどのような境遇でも逞しく生きていける。言い換えれば、社会からの反射的効果に自らを奮い立たせ、納得させ、そして前進する力を秘めている生き物なのだということなのだと思います。これが「生きる力」なのかもしれません。

 誰もが万事そつなく暮らすことなどできません。追い風の時や向かい風もあり、凪も嵐だってあります。休んでみたり進んでみたりしながら、時には頭をぶつけるだけでは済まず、傷ついて動けなくなるかもしれません。

 でも、本当に自分は1人なのでしょうか。よくよく目を凝らすと、遠くに近くにこの痛みを癒してくれているものの気配が見つかるのではないでしょうか。日々の生活の中で良いことも望まないこともそれぞれに実は意味があり、自分を支えてくれているものの存在に気づく為に必要な経験だったのかと思いなおすことができたら、ネガティブがポジティブにシフトする瞬間になるような気がします。

 我がステーションのスタッフたちは、こうした経験を糧に本年も1年、くじけることなく走り通してくれると信じております。そして1人でも多くの方に、「支えてくれる存在」として意識していただけるよう励んでまいります。

 2025年もどうぞよろしくお願い申し上げます。​

株式会社 ペイフォワード                    訪問看護ステーション ペイフォワード​                          代表 大島 綾子

手をつないで

​寄り添うとは、
提案することではなく
相手の思いを受け止めること

余命を宣告された方 ​おひとり暮らしでお風呂に入れずおトイレにも行けない方 脱水症を繰り返してしまう方 毎日点滴が必要な方 不安で薬を飲みすぎてしまう方 人と会うのが怖くて外に出られない方 少しずつ歩行がおぼつかなくなってきている方 貧血や低栄養で入院を繰り返している方 ​ひどい床ずれの手当に困っていらっしゃる方 ​ご自分の病気よりもご家族様を気遣われている方 ​ 全てがハッピーエンドではありませんでした。​ でも、ご利用者様やご家族様に寄り添うとは、 それは、理論尽くしで合理的なご提案ではなく、 無謀でも、「こうしたい」というその想いを受け止め 叶えるためにできることを全力で行うこと。 ​これがここまで来させて頂いた私達の学びです

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ご利用者様が教えてくれた
「ペイフォワード」に
込められた想い

その方のお部屋は、昼下がりの陽光に黄金色に輝き、お布団とカーテンしかないお部屋にもかかわらず、 とても暖かく、静かで、まるで花畑のようでした…。 「ああ、この方は死に支度を始めているのだ」と私は直感しました。 教師という仕事を天職とされ、人生のすべてを捧げてこられたその方のしぐさと、やせた顔の真ん中で輝く瞳に、社会との関係性が絶たれつつある悲しみが宿っていました。癌の身体的苦痛ではなく、心の痛みこそがその方をむしばんでいたのです。 ​そこで私たちは、この方と共に生きることを決めました。 当然ながら、私たちは看護師として精一杯健康管理を行わせていただき、その一方で、この方には私たちの人生観、社会人としての心得などを学ばせていただいたのです。 作成途中のパンフレットもお見せして、一緒に考えていただきました。 ある時、その方はこうおっしゃいました。 「わたくし、ペイフォワードという言葉を知らなかったので、辞書で引いてみたんです。そうしたら、恩送りとありました。大島さんがおっしゃっていた通りでしたね。そして2番目の意味があることを知りました。それはね、”実を結ぶ”という意味なんです。なんて素敵だろうと思いましたよ。ステーションの未来がそんな風になるといいですね。」 この2つ目の意味を私たちは忘れません。「ペイフォワード」と繰り返すたびに、この方は私達と共にあります。

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