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代表の想い
テキストBOX
失敗は成功の秘訣…
はじめまして。25年以上看護師で働いてきました。
そのほとんどはERや手術室で、まさに走り続けていた病院看護生活だったと思います。
ある節目を境に、とあるホスピスのお仕事を頂戴する機会がありました。
この期間は決して長いものではありませんでしたが、そこでの経験は、これまでの病院では遭遇しえない、奥深く、看護師としてというよりも、人間として考えさせられる時間だったと思います。
なかでも、がんの終末期にあったおひとりのご利用者様との出会いは忘れられないものとなり、今の私を作ってくれたともいえるでしょう。
その一方で、この方との出会いは、私にとって看護師人生最大の失敗に直面することにもなりました。
私はある入居の方から遺言を頼まれていました。
ホスピスとはいえ、なかなか「遺言」を口にできる方は少ないのですが、その方は奥様が亡くなられた後、身辺整理をあらかた終えて覚悟をされた入居だったのだと思います。
まだ一人でトイレへ行くことでき、食事もとれていたその方を訪問するスタッフは少なく、定期的に訪問する私は、この方にとって特別なスタッフだったのかもしれません。
ある時、この方の点滴を刺した後、大好きなコーンスープを作って持っていくと、「これからいうことをメモしてほしい。あなたに死ぬ前にお願いしたいことがある」と言われました。
ビジョン
ちょうど紙もペンも持ち合わせていなくて、またお元気そうに見えるその方から予想もしない言葉に、驚きと緊張を感じました。
そして、書き損じてはならないと思って、自分のシステム手帳を取りに出直すことを告げると、その方は、「いいよ。待ってるよ。」とほほえんでくれました。
ところがその夜にその方は急変し、私はこの方の遺言を受け取ることができなかったのです…。
病の床にある方との時間は、その一瞬一瞬が最後の瞬間かもしれない、という自覚を欠く、看護師としても人間としても、未熟な私自身を痛感させられました。その方の死後、私はその方の死亡申立人をさせていただきながら、今もなお、失われた遺言を探し続けているのです。
看護は、自分の目で見て、耳で聴いて、手で触れて、感じたことを、それまでの経験と合わせて判断し、察知した異常の兆候を次のアクションにつなげます。
訪問看護はこれを在宅で行っていくもので、いくつか注意することは違っても、病院などで充分な経験さえあれば、恐れすぎる必要はないように思います。
むしろ、恐れすぎることで、訪問看護の世界に入らないことは、自分の人生を変えるような出会いを自ら逃してしまっている…
これはとても残念なことだと思います。
病気はその人の一部であり人生です。そして在宅もその人の人生の生活の場であるとともに人生の一部です。
そんな生活の場で、看護師の私たちの関わりを待っている人たちは今日もどこかに居らっしゃいます。
そしてそこには、そんな方達と人生の一部を共有することでたどり着くことのできる看護の世界が待っています。
葛藤があって当然だと思います。でも、葛藤はあなたにはなりたい自分があるということだと私は信じます。
だれひとり、独りにはしません。
訪問看護ステーション ペイフォワードは、そんな皆様のために存在し続けていきます。
株式会社ペイフォワード
代表取締役 大島 綾子